中課題(H24~27)沖合・沿岸海洋環境情報統合システムの実証研究(H28~統合)

研究概要

三陸沖合域は親潮と黒潮がぶつかり合うことにより生産力が高く、世界の三大漁場の一つにかぞえられている。近年、この海域の生産構造の研究が進展し、マイワシの資源変動メカニズム、いわゆる魚種交替の発生メカニズムのように、地球規模の気象変動が三陸沖の物理環境を変化させ、マイワシ等の資源変動を引き起こす過程が解明されつつある。一方、同じ三陸海域の沿岸域は、沖合を流れる親潮と津軽暖流が影響し合い、さらには陸水が複雑に混合することによって、それぞれの強度と流れの方向が変化するため、海洋環境の変化が極めて大きく、かつ急激であるという特徴を持つ。たとえば、岩手県沿岸の水温変化をみると、冬季の最低水温や、夏季の最高水温が高い年と低い年では約5℃も異なる。秋季の水温降下や春季の水温上昇も、急激な年と緩やかな年で変化が激しい。このような沿岸海洋環境の変化は、沿岸資源やそれを漁獲する沿岸漁業、養殖業に対して、漁場形成の不安定化や養殖ワカメの品質低下といった問題を引き起こすが、その複雑さゆえにメカニズムが解明されていない。本研究では、津波被害を受けた岩手県沿岸域の環境観測網を効率的に再構築するとともに、沖合海洋環境の情報と統合した形で沿岸海洋環境の状態を把握し、情報発信するシステムを構築し、実証試験することを目的とする。
(※H27一部終了課題:海洋循環の影響の解明、海洋環境予測システムは中課題1,2の一部として継続)